冬眠密着包装法
画期的な保存方法
冬眠密着包装法
冬眠密着包装法
収穫したお米たちは、京都大学名誉教授である満田久輝(みつだひさてる)先生が発見した、通称「冬眠密着包装法(炭酸ガス封入密着包装法)」でパッキングを行う。
ヒントは「冬眠」
クマなどの冬になると冬眠する動物は、穴の中で酸素を吸い二酸化炭素を吐き出すことで、穴の中の二酸化炭素量を呼吸によって増やしていく。二酸化炭素がある一定の量に達すると、本能的に哺乳動物は眠るように「冬眠」する設計されているのだ。
冬眠密着包装法とは、動物の冬眠に炭酸ガス(二酸化炭素)が深く係わっていることにヒントを得た、穀物の新しい保存法である。
密封性の高い特殊な真空にできる米袋に炭酸ガス(二酸化炭素)を封入し、米袋内の空気を炭酸ガスに置換してから密閉することで、米に含まれる「タンパク質」が炭酸ガス(二酸化炭素)を吸収して、自然とカチカチの真空冬眠状態となるのだ。
まさに「米の呼吸」である
炭酸ガス(二酸化炭素)を米袋内に封入する際に、二酸化炭素の方が酸素より比重が重いため、米袋内に二酸化炭素を封入すれば自然と酸素が米袋内から放出していくのである。
米の劣化は「酸化」が原因
米が悪くなる原因はほとんどが「酸化」であるため、酸素を含んだ空気を炭酸ガス(二酸化炭素)に置換すると、新陳代謝や呼吸作用が抑制されるので、米が劣化しにくく、長期間の保存が可能となる。
また炭酸ガスの殺菌作用により、常温で約5年間放置しても虫やカビの発生がないという研究結果も出ており、災害の備蓄用としても使える包装方法である。
いつどんな時でも、新鮮でおいしい米を食べていただきたい
そんな想いから辿り着いた「冬眠密着包装法」のおかげで、誰もが手軽に長期間保存が可能となったのだ。
南極大陸昭和基地でも活用
ちなみに南極大陸にある昭和基地でも、米の保存方法として冬眠密着包装法が「備蓄米」として昭和基地で使われている。