2024年 11月10日 脱穀祭
収穫祭にて収穫した稲藁を脱穀する「脱穀祭」
脱穀祭とは、稲藁についている種もみを脱穀する日である。脱穀祭にも仲間たちが駆けつけてくれたおかげで、作業はスムーズに進行し、午前中にはコンプリートした。
脱穀祭ならではの体験として特筆すべきは「稲藁ベッド」である。脱穀を終えた稲藁を田んぼに敷き、その上に横たわることで、大地と繋がり、地球と繋がり、更には田の神々様とも繋がることを体感する。
神秘的な稲藁ベッド体験
心身ともに清められ、クリアな状態へと導かれる、まさに至高の瞬間である。この稲藁ベッドは、脱穀した日やその後の限られたタイミングでのみ、芳醇な稲の香り漂う極めて貴重な体験だ。
ちなみに、米農家の間でも、稲藁を田んぼに敷き、稲藁ベッドを作って、地球と繋がっている者は見たことがなく、また、収穫した稲藁を煎じてお茶にするという試みも稀である。
稲藁を細かく切り、煎じていただく「稲藁茶」は、自然農法で栽培された稲藁だから効果的であり、慣行農法で栽培した稲藁では、むしろあまり身体的に良いとは言えない。
自然本来の在り方
これは、玄米も同じことであり、本来玄米は身体にとって健康的な食であり、昔の人は「完全食」と呼んでいたほど、優秀な食なのである。しかし、農薬や化学肥料といった「慣行農法」で栽培する米の玄米は、それら化学成分もダイレクトに吸収しているため、玄米の皮の部分に多くの化学的な物質が含まれているのだ。
だからこそ、玄米を更に精米した「白米」が日本食のイメージになってきたのは、栄養が削がれると共に健康的でないものも含んでいることから、人体的影響のあるそれら化学成分を削ぐために精米して白米にするのである。
普段、「玄米が身体に良い」と思って食している方は、自分の食べる「玄米」がどのような栽培方法で「玄米」が作られているか、一度確認することを強くオススメする。
身体に良いとの思い込みが、いつか取り返しのつかない事態を招いている可能性があるので、美味しく安心する毎日を過ごすためにも、自分の身は自分で守る時代だからこそ、自分が口にする「食」と向き合うことが大切だと考える。
愛するがゆえに新たな発明
稲藁茶や稲藁ベッドといったアイデアは、稲の特性を深く理解し、稲たちをこよなく愛するからこそ生まれた発明であり、田んぼと共に、地球と共に生きることで生み出された結晶であると実感している。
米作りの過程において、米を作り、シンプルに米をいただくことにとどまらず、稲作の過程や出来上がった稲藁の活用法まで、余すことなく様々な展開を生み出せるからこそ、自然の摂理を体感して、地球との循環に大きく寄与できる。
これらは発明や行動は、決して一人の力では思い至ることができないものであり、多くの出会いや出来事、これまでの人生経験が今日という日を創り、稲や米との向き合いが稲藁茶や稲藁ベッドというアイデアへと導いてくれたのである。
どんな出来事でも真摯に受け止め、素直に向き合うことで、新たな世界や価値観が開かれていき、人生における進化、体験から得られる新たな学びだ。
稲作は、「八十八」の工程があるから「米」と書くと言われる米作り、それらすべての過程が大切なものであり、人生においてもそれ以上の工程があるからこそ、最後の瞬間に「味わい尽くした」と心から思える瞬間が訪れると考える。
日々積み重ねる貴重な体験と真摯に向き合い、一つ一つの出来事を味わい楽しみ、そして「今」というかけがえのない「今日」を存分に生きることを、最後の瞬間まで大切にしていきたいと考えでいる。
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