東の横綱「亀の尾」

日本三大品種の一つ
東の王様「亀の尾」

大正時代の日本三大品種の一つ
「亀の尾」


大正時代、日本水稲優良三大品種として輝いた
「神力」「愛国」「亀の尾」

その中でも、「亀の尾」は山形県酒田市の篤農家、「阿部亀冶氏」によって誕生し、その名前は、農家の名前から一文字選んで名付けられた。

この米が、今や有名な品種「ササニシキ」「コシヒカリ」「あきたこまち」「ひとめぼれ」などのルーツとして認識され、米の家系図において「亀の尾」と「森多早生」がこれらの品種の先祖であることが明らかになっている。

男らしく天に突き上げる様

亀の尾は、その歴史の中でササニシキやコシヒカリの尊い先祖として位置づけられ、その独特な特徴として、まっすぐ天に向かって伸びる稲穂が挙げられる。その姿勢はまさに男らしさを感じさせ、他の品種とは一線を画しているのだ。

しかしながら、亀の尾が希少な存在となった背景には化学肥料の導入が大きく影響する。

かつては背丈が高く立派な特性を持っていた亀の尾が、化学肥料の使用によりその特徴を失い、風に強くなく栽培が難しくなっていく。現代の主流となる品種は、風にも病気にも強く、安定して生産できる一方で、亀の尾のような大きく育てづらい品種は次第に姿を消していく。

※画像参考

大きな稲の風格と深い旨味

亀の尾の持つ大きな稲の風格や、その美味しさに感動し、現代の改良された品種とは異なる価値を持っているのも特徴だ。

亀の尾は、化学肥料や農薬を使わずに栽培され、その結果として生まれる深い旨味としっかりとした食感は、まさに「幻の米」と呼ぶにふさわしい品種だ。

亀の尾は、時代の変化とともに姿を消したが、美味しさは語り継がれ、現代では希少な存在である。亀の尾を食べることで、自然本来のエネルギーを感じ、その特有の風味や食感に触れながら、亀の尾の持つ幻想的な世界に迷い込んだような感覚を味わってみてください。